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呼吸器外科

ご挨拶

本邦で肺癌の手術に使用できるロボットシステムはIntuitive Surgical社のダヴィンチ(da Vinci)のみで、ロボット支援胸腔鏡下手術は一般的に“ダヴィンチ手術”と称されます。ダヴィンチ手術は2012年4月から最初に泌尿器科で前立腺癌に対し保険適応となりました。呼吸器外科分野では2018年4月から胸腔鏡下肺性腫瘍手術(肺葉切除または1肺葉を超えるもの)が保険適応となり、2020年4月から区域切除も保険適応となりました。 当科では呼吸器外科が2名体制になった2018年末から準備を行い、2019年3月にロボット支援胸腔鏡下肺葉切除術を開始いたしました。

ロボット支援胸腔鏡下肺切除について

全身麻酔で通常は硬膜外麻酔を併用して行います。
胸の横から胸腔鏡(カメラ)と3本の鉗子を挿入するための創を4カ所作成します。うち一つは切除した肺葉を取り出すための創となるため3~4cmとなります。また、助手が補助するための創を一つ追加します。

従来の胸腔鏡下肺切除の違い

従来の胸腔鏡手術との違いとして、まず第1に自由度の高い多関節鉗子が挙げられます。通常の胸腔鏡用の鉗子は曲がらないために直線的な動きしかできず、先端の開閉によって把持や切離するだけでした。ダヴィンチの鉗子は多数の関節があり自由度が向上し、人間の手首のように動くため、開胸手術の操作に近い感覚で手術が行えます。次に、10倍拡大視可能な3Dカメラで,まるで体内に入ったような感覚で立体視ができます。また手振れ防止機能があり、鉗子がぶれず、より精細な操作が可能となっています。欠点としては触覚の欠如が挙げられます。従来の胸腔鏡手術では直接触れられなくとも鉗子から伝わる感触で感じることができましたが、ダヴィンチ手術では視覚で補うことになります。従来の胸腔鏡手術に比べ、創の数は少し増えますが、安全な手術であるとの多くの報告があり、また術者にとっても優しいと言われています。

よくある質問

  • 入院期間はどのくらいですか?

    通常の胸腔鏡下肺切除と同じです。

  • どのような合併症がありますか?

    通常の胸腔鏡下肺切除と変わりありません.出血、空気漏れ、神経損傷などです。

  • 手術費用はいくらかかりますか?

    すでに保険適応となっており、通常の胸腔鏡下肺切除と保険点数(費用)は同じです。