検体検査

当検査室では、患者さんの体の状態を知るために血液や尿、便、喀痰などの検査を行っています。
これらから検査できる項目はなんと3,000数種にものぼります。

各臓器の働きと検査項目について

各臓器の働きと検査項目についてのイメージ

基準値について

基準値は健康と考えられる人の検査結果から統計を取り、そのうち95%の人の数値が含まれる範囲をいいます。
いいかえれば、残りの5%の人は健康だと考えられるにもかかわらず、基準値の範囲から外れます。
ですから基準値はあくまでも目安です。

健康と考えられている人たちも、基準値の範囲で見てみると…

健康と考えられている人の基準値の範囲イメージ

自分の健康時の値について知っておきましょう

基準値と比較するよりも重要なのは、各個人の検査結果の変動を知ることです。
同じ人の同じ検査の項目も、日によって、または同じ日であっても、食事や運動などの影響を受け一定の範囲内での変動が見られます。
一般的に、個人の変動は基準値の幅より狭いことが多く、健康診断など定期的な検査を受けることで、自分自身のおおよその数値がわかります。
ですから、検査結果が基準値から外れていても、すぐに病気と結びつかない場合があります。医師はこれらの検査結果を踏まえ、総合的に判断しています。

ある項目の基準値と個人のばらつきイメージ

血液の検査

血液はからだの中を循環し、酸素や老廃物の運搬、病原体からの防御など生命の維持に重要な働きをしています。血液の量は体重の約8%を占め、60kgの成人では4~5Lあるといわれています。

当院で使用している主な採血管

当院で使用している主な採血管のイメージ

これら採血管にはこんな特徴があります。

  • 中は滅菌され、陰圧になっていて必要量が採取可能
  • 血液を早く固まらせる作用があるものや、血液が固まらない薬(抗凝固剤)が入っているものがあります
  • 検査の目的によって抗凝固剤を使い分けます

※検査の項目により必要な採血管が異なるため、採血するごとに本数が変わることがあります。

血液の検査は、主に生化学検査室や血液検査室、輸血検査室で行われています

生化学検査室では

肝臓や膵臓に含まれる酵素や血液中の脂質、血糖などを測定します。

血液検査室では

貧血の有無や、血の止まりやすさの検査を調べています。
また、白血球や血小板などの形や大きさなどを顕微鏡で観察し、総合的に血液疾患がないかを見ています。

輸血検査室では

血液型を調べています。
輸血が必要な場合は、患者さんの血液と輸血する血液が適合するかを検査しています。

尿の検査

腎臓から尿管、膀胱から尿道のイメージ腎臓で血液を濾過して作られる尿は、膀胱に集められ、ある程度の量がたまると尿道を通して排泄されます。
尿の検査では尿の通り道の、腎臓や尿管、膀胱、尿道の状態がわかります。採取が容易なうえに、患者さんの負担が少なく、きわめて有用な検査です。
正しい方法で採尿をすることで、より正確な結果が得られます。

尿の正しい採り方

  • 出始めの尿を排出した後、途中から尿のコップにとる
  • 終わりの尿はコップにとらずに排出する
  • 必要な尿の量はコップに4分の1(内側の50の青い線を目安に)

尿の正しい採り方のイメージ

※最初と最後の尿は、尿の出口周囲と膣由来の細胞や細菌が入るため、この部分の尿は避けます。

尿の検査は、主に一般検査室や細菌検査室、病理検査室で行われています

一般検査室では

尿中のたんぱくや糖などの成分の量を測ったり、尿の中にどんな細胞が見られるかを顕微鏡で観察し検査しています。また妊娠反応の検査も行っています。

細菌検査室では

通常、尿の中に細菌はいません。
ところが、細菌に感染して膀胱の中で菌が増えると膀胱炎になってしまいます。
そこで尿の中にどんな菌がいるのか、どの位いるのか、どの薬が効くのかを検査しています。

病理検査室では

尿の中には自然と剥がれ落ちてきた、膀胱や尿道などの細胞が含まれています。
顕微鏡で尿中に含まれる細胞を観察し、個々の細胞の変化を見ています。
膀胱がんの場合は尿にがん細胞を認めることがあります。

便の検査

食物は胃で消化され、小腸で栄養分が、大腸で水分が吸収されて、最後は便として排出されます。
大腸に潰瘍やがんができると、出血して便に血が混じることがあります(便潜血)。また、腸炎を起こすと、便の中に原因となる細菌やウイルスが増えていることがあります。

このような場合、便を検査することで、大腸癌の早期発見や腸炎の適切な治療が行なえます。
正しい方法で採取をすることで、より正確な結果が得られます。

便の正しい採り方

和式も洋式も便器にトイレットペーパーを敷く
洋式の場合は、反対向きに座る
それぞれの容器からスティックや綿棒を取り出し、採便する。

便の正しい採り方と検査別検便の採取イメージ

便の検査は、主に一般検査室や細菌検査室で行われています

一般検査室では

便に含まれる血液の有無を調べており、この検査によって消化管全体(口~食道~胃~十二指腸~小腸~大腸~肛門)の出血がわかります。
便に含まれる血液がごく少量の場合、目には見えないので検査によって初めて証明され、この検査を便潜血反応と言います。

細菌検査室では

主に食中毒の検査をしています。
食中毒には、細菌が原因のものとウイルスが原因のものとがあります。
サルモネラ菌、キャンピロバクター、腸炎ビブリオ、病原性O-157などの細菌が原因の食中毒が70%以上です。食品に付着して増えた細菌を食品と一緒に食べると食中毒になる恐れがあるので気をつけましょう。

喀痰の検査

喀痰のイメージ喀痰は肺や気道で作られ、この中には息と一緒に吸い込んだ菌やほこり、また自然と剥がれ落ちてきた肺や気道の細胞が含まれています。
肺や気道に炎症が起きると喀痰の中で特定の細菌が増えたり、また肺にがんができるとがん細胞の一部が喀痰に混じったりします。

喀痰の検査も、患者さんの負担が少なく、肺の状態を知るのにきわめて有用な検査です。
正しい方法で喀痰をとることで、より正確な結果が得られます。

喀痰の正しい採り方

  • 採る時間は朝起きてすぐ
  • まず水でうがいをする(うがい薬は使わない)
  • 数回深呼吸をし、深く息を吸い込んでから思い切って咳をして喀痰を出す

唾液には口の中の菌や細胞がたくさん含まれており、これで検査をしても肺の状態まではわかりません。
泡だらけであったり、さらさらとした唾液では正しい検査ができず、再提出をお願いすることがあります。

喀痰の検査は、主に細菌検査室と病理検査室で行われています

細菌検査室では

肺や気道の炎症では、喀痰の中に原因となる細菌が増えていることがあります。
『どの細菌が原因で、どのくらい増えて、どの薬が効くか』ということを調べています。

病理検査室では

喀痰の中には、気管や肺から自然と剥がれ落ちてきた細胞や気道上の細胞が含まれています。
顕微鏡で喀痰の中に含まれる細胞を観察し、個々の細胞の変化を見ています。
肺がんの場合は喀痰の中にがん細胞を認めることがあり、早期発見のためにこの検査を行います。
細胞を観察する検査なので細胞診と呼ばれています。

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