医師ならびに医療機関と患者や社会との関係は、近年著しく変化してきましたが、医療者(医師、看護師、コメディカルスタッフなど)は、常に自らの良心に従い、患者の最善の利益のために行動すべきであることに変わりありません。当院では、世界医師会「患者の権利に関するリスボン宣言」の精神のもと、「患者の権利章典」を制定し、患者の人権を尊重した「患者中心のチーム医療」を推進します。
一方、患者の権利を尊重した「患者中心のチーム医療」をすすめる中では、患者自身の主体的なかかわりが不可欠かつ重要であり、患者・家族の皆さんにも「患者中心のチーム医療」を進める大切な役割を自覚していただく必要があります。また、病院も社会の一部であり、患者の権利だけが無秩序に守られるわけではなく、患者自身が守るべきルールもあります。
以下に掲げる事項は、患者が医療を受けるにあたって、守られるべき権利と患者自身に求められる責務とも言える内容であり、十分に理解していただきますようにお願いいたします。
患者さんはだれでも、どんな病気であっても、社会的な地位、国籍、宗教などにより差別されることなく、適切な医学水準に基づいた安全かつ効果的な医療を受ける権利をもっています。
患者さんは、どのような検査や治療を受ける上においても、担当の医師、病院を自由に選択する権利を持っています。また、どのような診療の段階においても、他の医師の意見(セカンド・オピニオン)を求める権利をもっています。
患者さんは、自分自身に関わる診療行為に関して、それを受けるかどうかを自由に決定する権利をもっています。また、その意思決定を行う上で必要となる医療情報を得る権利をもっています。
患者さんは、いかなる状態にあっても、一人の人間として、その人格や価値観を尊重され、尊厳が保たれる権利をもっています。また、プライバシーが守られる権利をもっています。
患者さんが意識不明か、その他の理由で意思を表明できない場合や未成年の場合には、法律上の権限を有する代理人が患者さんの代わりに意思決定をする権利をもっています。
患者さんは、自分の診療記録の開示を含め、自分の診療情報に関して十分な説明を受ける権利をもっています。逆に、知りたくない情報を知らされない権利ももっています。
患者さんは、診療の過程で得られた自分の個人情報の秘密が守られる権利をもっています。
すべての人は、個人の健康に対する自己責任をもつと同時に、疾病の予防および早期発見についての手法や保健サービスの利用などを含めた健康教育を受ける権利をもっています。
あなたは病気や障がい、年齢に関係なく人として大切にされ、あなたらしく生きる権利を持っています。
あなたは、医療の場であなたに関係することが決められるとき、すべてにおいて、周囲のおとなにそれが「あなたにとってもっとも良いことか」を第一に考えてもらえる権利を持っています。
あなたはいつでも自分らしく健やかでいられるように、安心、安全な環境で生活できるよう支えられる権利を持っています。もしあなたが病気になったときには、安心、あなたが病気になったときには、安心・安全な場で、できるだけ不安のないようなやり方で医療ケア(こころやからだの健康のために必要なお世話)を受けられます。
あなたは、医療を受けるとき、お父さん、お母さん、またはそれに代わる人とできる限りいっしょにいることができます。
あなたは、自分の健康を守るためにすべての情報について、あなたにわかりやすい方法で、説明をうける権利を持っています。そして、あなた自身の方法で、自分の意思や意見を伝える権利を持っていて、できるだけその気持ち・希望・意見の通りにできるように努力してもらえます。
あなたの気持ち・希望・意見の通りにすることができない場合は、なぜそうなったのか、その理由などについてわかりやすい説明を受けたり、その理由が納得できないときは、さらにあなたの意見を伝えたりする機会があります。
あなたは、病気や障害、その他あらゆる面において差別されることなく、あなたのこころやからだを傷つけるあらゆる行為から守られます。
あなたのからだや病気のことは、あなたにとって大切な情報であり、あなたのものです。あなたらしく生活をすることに守るために、あなたのからだや病気、障害に関することが他のひとに伝わらないように守られます。また、だれかがあなたのからだや病気、障害のことを他のひとに伝える必要があるときには、その理由とともに伝えてもよいかをあなたに確認をします。
あなたは、病気や障害の有無に関わらず、そして入院中や災害などを含むどんなときも、年齢や症状などにあって遊ぶ権利と学ぶ権利を持っていて、あなたらしく生活することができます。
あなたは、必要な訓練を受け、技術を身につけたスタッフによって医療やケア(気配り、世話など)を受ける権利を持っています。
あなたは継続的な医療やケア(気配り、世話など)を受けることができます。また、日々の生活の中でさまざまな立場のおとなに支えてもらう権利を持っています。
患者自身の主体的なチーム医療への参加は、患者さんのもつ権利であるとともに、責務でもあることをご理解ください。
医療者の説明に対しては、十分に納得できるまでお尋ねください。
医療者が診療において的確な判断を行っていくため、病状や家族歴、既往歴、アレルギーの有無、薬の服用状況などの情報は、できる限り正確にお知らせください。
自分自身が受ける医療行為、投与される薬などに関する疑問や不安は、遠慮なく医師や医療スタッフにお伝えください。
患者間違いによる事故を防ぐための取り組みへの協力をお願いします。
入院中の転倒・転落事故を防ぐための取り組みへの協力をお願いします。
静脈血栓塞栓症を防ぐための取り組みへの協力をお願いします。
検査や治療が安全に実施できるように、医療者の指示は必ずお守りください。
咳エチケットについて
お見舞いについて
感染予防対策への協力について
暴力行為やセクシャル・ハラスメントは犯罪です。
病院は、多くの患者さんが集まり、医療を受ける場です。すべての患者さんが快適な環境で医療を受けられるように協力をお願いします。
当院は敷地内禁煙です。
(平成24年7月10日改訂)
当院は、臨床研修病院(医師免許取得後2年間の医師:研修医を実践教育する病院)の指定を受けています。研修医が担当医として主治医の責任指導の下に診療・治療などを行う事があります。また、医師など病院職員が、患者のプライバシーを確実に遵守して、治療上の成績などを学会に発表する事があります。これらの点につきご了承いただきたく存じます。
当院は、急性期の患者に対する高度医療、救急医療に重点を置いています。急性期の入院治療を必要とする患者が、すぐに入院できる体制を整える事に最大限の努力をしております。
そのため、患者の急性期の病状が安定し入院治療が必要でなくなった段階で、当院の外来又はご紹介をいただいた医療機関やご自宅近くの医療機関へ診療を引き継ぎますので、ご協力をお願いいたします。
なお、他の医療機関へ紹介する場合は、患者にとって最善の医療が受けられるよう、病状、検査、治療の経過などを添えてご紹介させていただきます。
当院では、医の倫理にかかわる諸問題に対して、患者の人権を守ることを第一と考え、病院の理念と基本方針、患者の権利章典、医療者の倫理綱領、患者の権利に関する基本方針などの指針を示し、すべての職員への周知・教育を行っています。
当院では、医の倫理にかかわる諸問題に対して、患者の人権を守ることを第一と考え、病院の理念と基本方針、患者の権利章典、医療者の倫理綱領、患者の権利に関する基本方針などの指針を示し、すべての職員への周知・教育を行っています。
医学および医療は、病める人の治療はもとより、人びとの健康の維持もしくは増進を図るもので、医療者(医師、看護師、コメディカルスタッフなど)は責任の重大性を認識し、すべての人に奉仕するものである。
(平成20年12月8日制定)
医学研究における倫理の問題、新薬の治験や遺伝子治療等新しい治療技術の開発に関わる臨床研究に関しては、外部委員を含めた倫理委員会、治験審査委員会で審議を行い、常に患者の人権と医の倫理に配慮しています。また、一般的な倫理研究に関しては、倫理問題検討委員会や臨床研究審査委員会において患者の権利やプライバシーの保護、個人情報の保護の観点から審議を行っています。
悪性疾患の病名告知や予後の告知に関しては、患者の知る権利と知らないでいる権利の問題、家族への告知を希望されない場合の対応の問題などで、簡単に答えを出すことのできないケースがあり、個々の患者さんに応じた検討が求められます。終末期における治療の差し控えの問題や延命処置としての心肺蘇生法の実施や人工呼吸器の装着など治療法の選択の問題なども、患者の意思の尊重や人としての尊厳を守る面などから、倫理的な検討を要する問題であります。
当院では、このような臨床における倫理に関わる問題について、主治医が単独で判断せず、複数の医師や看護師、ソーシャルワーカーを含めた医療チームとともに、患者さん自身や家族の方々を含めた話し合いを行い、治療方針を決定するように努めています。さらに、臨床の現場で結論を出せないような倫理に関わる問題については、倫理問題検討委員会で、常に患者さんの意思と権利を第一に考慮した最善の方法を検討します。
その他、医療安全管理委員会、患者サービス向上委員会など各種委員会での審議や、臨床の現場での事例検討会において、臨床における倫理の諸問題について検討を行い、患者さんの人権を尊重した対応を選択し決定しています。
『臓器の移植に関する法律』に規定されている臓器のうち腎臓、膵臓、眼球(角膜)については心臓が停止した死後においても臓器の提供・移植は可能です。脳死下での臓器提供のように提供施設の指定はありませんが、実際の腎臓、膵臓の提供においては心停止前からの準備が必要です。当院では『臓器の移植に関する法律』に則り、『臓器提供に関するマニュアル』に準じて、心臓が停止した死後の腎臓などの臓器摘出に対応しています。
当院では、患者さん自身や家族の方々の臓器提供の意思を尊重するとともに、家族の方々の心情にも配慮して対応するよう努めています。具体的には、患者さんが昏睡状態で終末期にあると判断され、家族の方々がそれを受容された場合、その後の治療方針は家族の方々と担当医師・チームの話し合いで決定されます。その中で、患者さんや家族の方々の臓器提供の意思が示された場合に、担当医・チームは臓器提供者の適応を検討します。そして、患者さんがその基準を満たす場合には、家族の方々に移植コーディネーターの説明を聞くか否かの確認を行います。その後、担当医・チームは移植コーディネーターと密接に情報交換を行い、患者さん自身や家族の方々の臓器提供の意思が生かされるように努力します。
臓器提供の意思をお持ちの患者さんや家族の方は、いつでもご遠慮なく担当医や看護師など医療者にご相談下さい。
当院では、「患者の権利」に定めた患者の権利を尊重し、守るべく、以下の基本方針を職員に周知・徹底します。
(平成20年12月8日制定)
〒653-0013
神戸市長田区一番町2丁目4番地
地図で見る Tel: 078-576-5251
Fax:078-576-5358(代表)/ 078-579-1943(病診連携室)
病院案内
当院のがん診療について
外来のご案内
入院のご案内
診療科・部門のご案内