病院における医療安全活動をもっと知っていただくために

その1:医療の不確実性とヒューマンエラー・システムエラー

医療者と患者さんや家族の方との間の情報交換、コミュニケーションの不足がいろいろな場面での誤解や紛争の要因になっていることは、識者の指摘を待つまでもなく現場の人間にはよく理解されていることです。
したがって、医療の現場のかかえる問題を広く一般の方々に知っていただくことは重要と考えています。

医療の不確実性

「医療崩壊」という言葉や「医療の不確実性」という言葉が広く使われる中で、医療の不確実性という言葉を耳にされた方もおられるでしょう。

例えば、薬には期待する効果もある代わりに副作用もあります。病気を治すために行われる手術にも合併症という期待に反する有害事象がある程度の確率で起こりえます。医療行為は、それ自体が人の身体(からだ)に侵襲(ある意味での「傷害」)を与えるものであり、医療の進歩の中で数々の侵襲的検査や治療が行われるようになったこと自体が様々な有害事象を生じる原因でもあります。このようなことからも分かるように、医療には100%の安全はありません。

一方、医療従事者も人であり、間違いを犯すことがありますし、システムそのものの問題が原因となって生じる有害事象もあります。

しかしながら、最近の医療不信の高まりの中で、このようなヒューマンエラーやシステムエラーと医療そのものが持つ不確実性が混同されて、医療に伴う有害事象を全て医療ミスと誤解している一部のマスメディアや患者、家族、一般の方々もおられます。

ヒューマンエラーやシステムエラー

医療におけるヒューマンエラー、システムエラーの問題が大きく取り上げられるようになって15年以上が過ぎます。人は間違いを犯すものという観点からシステムの改善に取り組んだり、人間工学的な研究からヒューマンエラーに取り組む活動が進められています。
しかしながら、医療はあまりに人間的な要素が多く複雑で、科学とはいえ実に不確実性を持った分野であることなどから、他の業界での取り組みを真似るだけでは不十分で、医療の現場に合った対策が必要です。

その2:「医療事故」という用語(言葉)に伴う誤解

医師の方は、忙しさを言い訳にして患者さんに十分な説明ができていないことも多いですし、難しい医学用語を使って説明していることも多いですね。医療安全活動の中でも、難しい言葉が多いですし、用語の使われ方が統一されてなくて誤解や混乱があるのも事実です。

「医療事故」という言葉から生じた混乱

「医療事故」って、医療ミス、医療過誤と同じ意味で使われていないのを知っていますか?

多くのマスメディアで使われている「医療事故」という言葉には、どうも「ミス」や「過誤」、「過失」のイメージないしは意味合いがついてきます。しかしながら現在、医療界で使われている「医療事故」という言葉の定義の多くは、 医療側に過失がない場合を含んでいます。

このように、「医療事故」という言葉の定義や使われ方が マスメディアと医療機関の間で異なっていたり、医療機関の間でも統一されていない実情の中で、言葉の 捉えられ方によって、一般の方々に誤解されていることもありますし、医療者内部にも混乱が生じています。

「医療事故」という言葉から生じた誤解をとくために

医療安全のための活動が日本に紹介された当初、産業界で使われている「事故」という言葉に習って、英語の「adverse events」の訳に「医療事故」という言葉が使われました。
航空機事故の場合は、パイロットの人為的ミスよりも機器の故障や整備の問題、気象条件などの原因を思い描くことが多いのに対して、医療事故の場合は医師や看護師の人為的ミスや失敗をイメージしてしまうことが多いのはどうしてでしょうか?
マスメディアによる報道の仕方や医療界の密室性などと関連しているのでしょうか?

イラスト「医療の不確実性」の項でも述べましたが、医療には100%安全ということはありません。医療行為そのものや薬剤自体が様々な有害事象を生じる原因でもありますし、人である医療従事者や病院のシステムそのものに問題があって生じる有害事象もあります。

私たちは、そのような医療の現状を もっともっと広く市民の皆さんや マスメディアの方々に理解していただきながら、「医療事故」にからむ誤解も解いていくことが必要と感じています。

その一環として、「医療事故」という言葉を患者・市民の皆さんにも医療従事者にも分かりやすい、納得しやすい言葉に置き換えて定義していくことが必要と考え、さらに、その内容を現在の医療水準に照らして医療者に過失のある事象とない事象、防ぎうる事象と防ぎ得ない事象などに分けて整理して情報発信していくことが必要と考えています。

「医療事故」から「医療に伴う有害事象」へ

私たちは、これまで「医療事故」として定義されていた事象を、最近、学会などでもよく使われるようになった「医療に伴う有害事象」という大きな分類に置き換えて、不必要な混乱を解消していきたいと考えています。

「医療に伴う有害事象」には、発生場面として、医療行為に関連した事象と医療行為に関連していない事象があります。また、発生要因が、医療者側にある場合と患者側にある場合、両者にある場合(関与の比率は様々)があります。転倒や転落の中には医療者が防ぎえない場合が多いですし、誤嚥や窒息などでは患者さんの側の要因が大きい場合もあります。

医療者側の過失の関与については、過失のある場合と過失のない場合があります。勿論、過失の定義は難しく、法的な意味で使われる「過失」の判断は簡単なものではありません。
また、その時代の「標準的」とされる医療レベル、その病院の医療レベル、医療従事者の医療レベルにおいて、防ぎえるものと防ぎえないものの認定は異なります。
したがって、過失のない場合でも、全くの不可抗力と言うべきケースと何らかの条件が整えば防ぎうるケースがあるのが現実です。

わたしたちは人が犯す間違いを何らかの対策で防いだり、減らしたり、また、影響を弱めたりする努力を行っているのですが、まだまだ、根本的解決は難しいのが実情です。
今大切なことは、これらの問題を整理して情報を共有し、お互いに理解を深めていくことだと思います。一部のマスコミのように犯人さがしをするのではなく、また、お互いに責任の押し付け合いや回避をするのではありません。患者さんのための医療が、その言葉通りに安全に行われるように、医療に関わる者たちが協働していくことが必要です。

その3:インシデント報告収集活動

大きな事故を防ぐために、人間は自らの注意だけに頼るのでなく、いくつかの防御網を作って事故を防ごうとしていますが、それでもその防御の網の目をすり抜けて事故は発生します。
幸い大きな事故にならなかったけれども、ヒヤリとしたりハッとするような事柄は、そのすり抜けやすい網の目を私たちに教えてくれます。ですから、インシデントを集めて、その要因を調べることは、大きな事故の発生を防ぐ対策作りに非常に役立ちます。

そこで、 医療事故の発生要因を検討し対策を考えるために、医療に伴う有害事象やヒヤリ・ハット事例など広い意味でのインシデントを調べて、 病院内の業務上の問題を改善していこうというのがインシデント報告・収集活動の目的です。勿論、これらの報告は院内職員からの自発的な申告ですので、個人の責任を追及するような使い方はせず、改善を考える気風作りに役立てています。その上で、職員が報告しやすくなるように、報告経路の単純化や報告方法の改良に努めてきました。

平成20年10月からは、広い意味でのインシデント報告を(1)インシデント一般、(2)転倒・転落、(3)合併症・副作用に3分類して、医師や薬剤師からの報告も促しています。

インシデント報告の現況

グラフ1は、医療に伴う有害事象やヒヤリ・ハット事例など広い意味でのインシデントの報告件数(複数職員が同一事例を報告した場合も含む延べ件数)の年次推移を示したものです。

グラフ1. 広義のインシデントの年度別報告件数

グラフ1. 広義のインシデントの年度別報告件数

インシデント報告件数が増えていますが、少ない方が良いのではないですか?

確かに有害事象や事故は少ない方が良いですね。
そういう意味ではインシデントの数は少ないに越したことはありません。一方で、患者さんに傷害は与えなかったけれど実際に起こってしまったエラーや患者さんに実施される前に未然に防げたエラー(ヒヤリ・ハット事例)を大きな事故の芽として報告してくれる職員が多いほど、職員の安全への意識は高いとも言えます。私たちは、報告されていない小さな有害事象やヒヤリ・ハット事例はもっと多いのが実際と考えていますので、事故防止策の立案につなげていくために各職員に報告を促しています。
職種別には看護師からの報告が多く、平成28年度は1360報告(全体の76.2%)を占めていました。平成25年度以降、薬剤師の病棟配置に合わせて薬剤師からの積極的な報告があり、平成28年度は薬剤師から255件(全体の14.3%)の報告がありました。
薬剤師からの報告の大半は医師の処方や与薬に関連したヒヤリ・ハット事例であり、薬剤関連の事故防止のための薬剤師の役割の一端を示しています(グラフ2参照)。
コメディカルからの報告は5.6%、医師からの報告は3.9%であり、医師の協力を如何に引き出すかが大きな課題となっています。

なお、インシデント報告数に関しては、100床当り年間300~500件(例えば、当院では年間1100~1800件)が一つの目安という話がありますが、その数値の評価にはそれぞれの医療機関における背景因子などを加味する必要があります。

グラフ2. インシデント一般報告の事象レベル別内訳(年次推移)

グラフ2. インシデント一般報告の事象レベル別内訳(年次推移)

インシデント一般報告の中で、アクシデント事例(手術や入院期間の延長を必要とするような濃厚な治療が必要であった有害事象)はどれほどあったのですか?
平成28年度のインシデント一般の報告件数は1,389件(重複報告を含む)でした。 そのうちアクシデント事例(レベル2b以上)は0件、 簡単な処置を必要とした事例(レベル2a)が40件、診断のために検査を必要とした事例や観察を強化した事例(レベル1b)が27件、経過観察のみで済んだ事例(レベル1a)が899件、患者さんにエラーを実施する前に発見できて未然に防げた事例(レベル0)が397件、その他インシデントに該当しない事例が26件でした(グラフ3参照)。
転倒・転落報告、合併症・副作用報告については後述します。
インシデント一般報告には、どのような内容が多いのですか?

平成28年度のインシデント一般報告の内訳(グラフ3)を見ますと、全国的なデータと同様に、薬剤の処方・与薬、調剤、管理に関するインシデントが最も多く、約57%を占めています。

その内容としては、確認不足や思い込みによる与薬忘れや錠数間違い、点滴速度の遅い・速いなどで、患者さんに実害のなかったものがほとんどです。しかし、ひと間違いや薬剤間違いなどもあり、これらが大きな事故につながらないようにするために、名前確認や指さし呼称、ダブルチェック体制などにより確認作業の徹底に努めています。

次に多いインシデントは医療器具・輸液ライン・ドレーン・各種チューブ類に関するもので、約13%を占めます。その多くは経鼻胃管や栄養チューブなどの自己抜去で、認知症やせん妄患者への対応に苦慮しています。
その他、検査に関するインシデントも約9%を占め、その多くは採血忘れ・遅れなどで、確認作業の徹底が必要な事項です。

グラフ3. インシデント一般報告の内容別内訳(平成27年度)

グラフ3. インシデント一般報告の内容別内訳(平成28年度)

転倒・転落事故の発生状況

院内での転倒やベッドからの転落は広義のインシデント報告の主要な事象です。
当院での転倒・転落報告件数の年次推移をグラフ4に示しますが、平成22年度以降は年間300~400件の報告が続いており、平成28年度は368報告でした。

グラフ4. 転倒・転落の年度別報告件数

グラフ4. 転倒・転落の年度別報告件数

転倒・転落の発生には、表1で確認できるような入院患者に占める高齢者の割合の増加やそれに関連した認知症・せん妄患者の増加や、在院日数の短縮に伴う入院患者の入れ替わりの増加が大きく関与しています。高齢者に見られる筋力やバランス力の低下、認知症やせん妄状態における判断力の低下や危険行動の繰り返しは転倒・転落事故の大きな要因になっているのです。その他には、職員の安全意識の向上も転倒・転落報告件数の増加をもたらしていると思われます。
つまり、筋力の低下した患者さんが看護師を呼ばずに一人でトイレに行こうとして膝をつくような事例など軽微な転倒事例の報告も増え、大きな転倒事故を未然に防ぐための意識や注意力も向上してきています。

表1.年度別入院患者数、平均在院日数、延べ入院患者数
入院患者総数
(人)
平均在院日数
(日)
延入院患者数
(人・日)
65歳以上
の割合
70歳以上
の割合
80歳以上
の割合
19年度 7,080 19.3 115,708 63.1% 51.2% 20.7%
20年度 7,504 16.0 113,873 63.8% 52.0% 21.3%
21年度 8,342 13.9 112,103 65.6% 51.7% 22.8%
22年度 8,791 13.5 115,497 67.1% 55.1% 26.4%
23年度 9,365 13.2 119,692 65.0% 53.4% 24.0%
24年度 9,466 12.8 117,560 66.6% 56.2% 25.8%
25年度 9,320 12.8 115,598 66.5% 55.9% 25.9%
26年度 9,365 12.5 114,541 66.7% 55.1% 24.9%
27年度 9,195 12.3 109,352 70.2% 57.5% 27.0%
28年度 9,261 12.4 111,797 72.2% 60.5% 30.6%
転倒・転落事例報告の中で、アクシデント事例(手術や入院期間の延長を必要とするような濃厚な治療が必要であった有害事象)はどれほどあったのですか?
平成28年度の転倒・転落報告件数は368報告でしたが、そのうちアクシデント事例は6件でした。内訳は大腿骨頚部骨折3件、大腿骨転子部骨折2件、膝蓋骨骨折1件で、医療側のエラーに起因したアクシデント事例はありませんでした。その他は、簡単な処置を行った事例が5報告、診断のためにレントゲン検査を行った事例が62報告、経過観察のみで済んだ事例が285報告でした。
これらの転倒・転落の発生場面としては、排泄行動に伴うものが多く、それが人手の少ない夜間帯に増加する点に、現在の病院が抱えている問題の一端が示されています。また、個々の事例については年齢や病気・病状の違い、打撲の部位や程度などの違いに加えて、転倒・転落防止対策を難しくする認知症やせん妄の有無など数多くの要因が影響しますので、事故を画一的に論じることはできません。
入院中の転倒やベッドからの転落は、病院に責任があるのではないですか?
確かに、病院に入院されている中での事故として、病院には大きな意味での管理責任はあると思います。しかしながら、現実の医療体制の中では防ぎうる事故と防ぎえない事故があることを皆さんには理解していただきたいと思います。
患者さんが危険な動きをしないように何らかの方法で身体を拘束したり抑制したりすることは特別な状況でない限りできませんし、1対1で常時監視することができない中では、患者さんの転倒やベッドからの転落を全て防ぐことはできません。
1フロア50床の一般病床の深夜帯に勤務する看護師数は3~4名という現実の中で、実際に家族の方に付き添っていただいている時でも転倒・転落事故が起こっているのが実情です。認知症の患者さんやせん妄状態にある患者さんが多い中で、転倒・転落をゼロにできないのが現実なのです。
入院中は完全看護ではないのですか?
当院は完全看護ではありません。
7対1看護体制を確保していますが、病棟によって看護師の人数は異なります。集中治療部では患者2人に1人の看護師が勤務できるような体制をとり、通常は家族の方の付き添いはお断りしていますが、一般病棟では必要に応じて家族の方に付き添いをお願いしています。特に夜間帯は看護師が少なくなりますので、家族の方の協力が不可欠な場合があります。
ただ、現実は、家族の方々も病院で付き添える状況にないことが多く、医療者側もなかなか強く付き添いをお願いできないという状況です。
入院中に転倒やベッドからの転落が起こりやすいのは何故ですか?
転倒は自宅に居ても外出先でも起こりえますが、入院中は病気やケガの影響があったり、薬の影響があったりして、下肢の筋力が弱くなり、身体のバランスをとる力が弱くなります。点滴や栄養補給のためのチューブ、酸素吸入用のチューブ、治療のために体に挿入されたチューブなどが身体を動かしにくい状況を作ったりもします。
さらに、認知症を伴う患者さんが増えていますし、入院中には「せん妄」という意識の混乱した状況が出現したりして、思いがけない転倒やベッドからの転落の危険が増えています。お年寄りなどで慣れないベッド生活での転落も要注意ですね。

合併症の収集・分析活動

手術や処置、検査には、期待する結果とは違った望ましくない結果(ある種の有害事象)がある程度の確率で発生することがあり、合併症と呼んでいます。
合併症のほとんどは、標準的な医療の中でも起こりうる、過失とは言えない内容のものです。しかし、合併症のごく一部には、明らかな医療者のミスやエラーに起因したものがあるのも事実です。以前は、これらが混同されて、医療者側に過失のない合併症までもが医療ミス、医療事故と見なされるという混乱が多かったように思われます。
合併症については、それぞれの専門診療科において原因を検討し、医療の質の向上につなげるという地道な活動が基本ですが、病院全体としても標準的な医療から逸脱した行為がないかとか合併症の発生率が異常に多くはないかなどをチェックし、医療の自律・自浄性を高める必要があります。

そこで、平成20年10月から当院では、病院の医療安全管理活動として手術や処置、検査に伴う合併症(感染症を除く)ならびに薬物治療による副作用(一般的なものを除き、重篤な副作用や予期しない副作用を対象)の収集・分析活動を開始しました。まだまだ未熟ですが、医師の理解と協力を得ながら、事例の収集・分析を進めて治療や処置、検査による合併症の防止策につなげようと考えています。なお、感染症に関しては、院内の感染管理委員会・感染管理チームによるサーベーランス・分析が進行中です。

合併症・副作用報告には、どのような事象が報告されていますか?
平成20年10月報告システム、指針の変更前後で報告内容は大きく変化しています。以前は、中心静脈穿刺・カテーテル挿入時や胸腔穿刺時の気胸(肺穿刺)や内視鏡的消化管ポリープ切除(粘膜下層剥離術)における消化管穿孔などの報告が中心でしたが、報告システムの変更後は消化管吻合術後の縫合不全など外科系の手術合併症も報告されています。
全国的にも、このような合併症をどの程度までインシデント報告に含めるかについて明確に定義されていないために、診療科の間で何を報告するかで意見が分れたり、検査・治療前に合併症がある程度の確率で発生しうると説明しているのに何故医療事故扱いされるのかといった不満・不信感が残っています。
その結果、医師の間にはインシデント報告を敬遠する空気があり、合併症事例は報告されないことが多く、病院としての取り扱いも統一されていないというのが実情でしょう。
合併症・副作用の報告件数はどの程度ですか?
年度別の推移は先に示しましたグラフ1の通りです。
平成20年10月の報告システム変更後に報告が増加しましたが、なかなか浸透できていないのが実情です。平成28年度は年間27件の報告がありました。
合併症・副作用報告の中で、アクシデント事例(手術や入院期間の延長を必要とするような濃厚な治療が必要であった有害事象)はどれほどあったのですか?

一般的に、合併症や重篤な副作用が発生した場合には、手術や処置、経過観察が必要となることが多いので、事象レベルとすればアクシデントに相当する事例が多いことになります。しかし、これは当然のことであって、インシデント一般報告に見られるようなエラー、ミスによるアクシデントと同一に考えることは適切ではありません。

勿論、合併症・副作用として報告されても、医療者側のエラーやミスによる事象と評価された場合には医療過誤として扱い、アクシデントレベルの事象は神戸市立病院医療事故公表基準に沿って報告対象としています。過去、数件の事故については公表するとともに、その都度改善策を立案し、再発防止に努めていますが、平成28年度は公表基準に該当する事例はありませんでした。

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