気管支の慢性的な炎症(好酸球性炎症が主)を背景に,気管支平滑筋の収縮や気道分泌物により,空気の通り道(気管支)が狭くなり,喘鳴(ぜーぜー,ヒューヒュー)や呼吸困難,胸苦しさ,咳といった症状を起こす疾患です.その症状は変動するのが特徴です.
症状は,季節性変動,日内変動(特に夜間・朝方に症状が出やすい),気道感染や空気の刺激による増悪(発作)など,変動するのが特徴です.
また風邪の後の長引く咳(4週間以上:遷延性咳嗽,8週間以上:慢性咳嗽)で医療機関を受診する方の約半分は咳喘息です.この咳喘息の患者さんは,早期の診断・治療を行わないと,約1/3が典型的な喘息に移行すると言われています.
少しでも早く,患者さんが増悪(発作)や喘息症状のない生活が送れることを目指し,診療を行っています.呼吸機能検査(スパイロメトリー)や喀痰検査,胸部CTをはじめ,呼吸抵抗を測定するモストグラフ,気道炎症の程度を測る呼気一酸化窒素(FeNO)など最新の検査器具を用いて,診断が難しいとされる早期・軽症の喘息も的確に診断するよう心がけています.
重症喘息で多い併存症である好酸球性副鼻腔炎については,耳鼻咽喉科と協力して診療に当たっています.
増悪(発作)を起こさないためには,継続的な治療(維持治療)が必要です.患者さんには,喘息の病態,治療・管理の方法について理解いただき,自己にて管理できる様に説明します.薬物治療においては,治療の中心となる吸入薬(吸入ステロイド薬,吸入気管支拡張薬,これらの配合薬)の選択や吸入方法について,外来看護師および近隣薬局の薬剤師さんと連携・協力し,患者さんに合わせた指導を行っています.
重症の喘息で使われる生物学的製剤については,高価な治療となるため,高額療養費制度などについて相談員(医療メディカルソーシャルワーカー)に相談することができます.
当院は日本アレルギー学会認定教育施設であり,多くの喘息患者さんを診療してきました.特に重症喘息・難治性喘息患者さんの診療に定評があり,生物学的製剤 ( 抗IgE抗体 [オマリズマブ®],抗IL-5抗体 [ヌーカラ®],抗IL-5 受容体抗体 [ファセンラ®],抗IL-4/13受容体抗体 [デュピクセント®] ) についても県内で有数の使用経験を誇っています.生物学的製剤の自己注射の導入実績も豊富です.
また当院は日本呼吸器内視鏡学会認定施設であり,2015年4月より保険収載となった重症喘息患者に対する気管支温熱療法(気管支サーモプラスティ [BT])も行なっています.
当院は病診連携にも力を入れています.医療機関の方におかれましては,治療が困難な患者さんなどを是非ご紹介いただき,一緒に診療させていただければ幸いです(普段の診療はかかりつけ医,増悪時や定期の評価 [半年〜1年毎] は当院など).
〒653-0013
神戸市長田区一番町2丁目4番地
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Fax:078-576-5358(代表)/ 078-579-1943(病診連携室)
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