気管支喘息は、空気の通り道である気道が慢性的に炎症を起こしている状態が特徴で、発作性に気道が狭くなることによって、咳や呼吸が苦しくなる状態(喘息発作)を繰り返す病気です。
乳幼児期に発症することが多く、発症時期は2~3歳がピークです。気管支喘息の約80-90%が6歳までに発症するため、早期に適切な対応を行うことが大切です。近年では、慢性的な炎症を抑えるために長期的な治療を行うようになり、気管支喘息発作での入院や救急受診は減少傾向です。
出典:環境再生保全機構 ERCA(エルカ)
「こどものぜん息ハンドブック」から引用
気管支喘息は、アレルギーを起こしやすい遺伝因子に、アレルゲンや感染、受動喫煙、大気汚染などの環境因子が作用することにより引き起こされると言われています。
空気の通り道である気道が、慢性的に炎症を起こし、その結果、気道が過敏な状態となり、感染や運動などの影響があると、気道が狭くなり、喘息発作が起こります。
出典:環境再生保全機構 ERCA(エルカ)
「こどものぜん息ハンドブック」から引用
典型的な症状は、喘鳴(ぜーぜーという呼吸)のある咳や、息苦しさです。5歳以下では、喘鳴(ぜーぜー)を繰り返す場合、乳幼児喘息の可能性があります。
運動時や大声で笑うと咳き込むなどの症状も、軽い喘息発作の可能性があります。
気になる症状がある場合は、小児科を受診しましょう。
出典:環境再生保全機構 ERCA(エルカ)
「こどものぜん息ハンドブック」から引用
気道の炎症と吐く息の中のNO(一酸化窒素)の値が関連していると言われており、呼気NOを測定します。
呼気NO測定器
気管支喘息の気道でのNO産生
出典:環境再生保全機構 ERCA(エルカ)
「小児気管支喘息における呼気NO測定ハンドブック」から引用
また、血液検査で、ダニやハウスダストのアレルギーがないか検査を行います。胸部レントゲン写真や、場合によっては胸部CTを撮影します。呼吸機能検査では、気道が狭くなっていないか確認します。
気管支喘息の治療は、気管支喘息について理解し、そのうえでダニ・ハウスダスト対策など悪化因子の対策、薬物療法、体力つくりの3本柱で成り立っています。
薬物療法としては、気道の炎症を抑えるための長期管理薬と、発作時に使用する発作治療薬があります。年齢や症状に応じてガイドラインに準じた治療を行っています。
慢性的な気道炎症を抑えるには、症状がなくても長期的な治療を継続することが大切です。当院小児科外来では、小児アレルギー専門医や小児アレルギー専門看護師、薬剤師が連携し、患者さんの年齢に応じて、患者さんご本人やご家族に、病態や治療の必要性を説明しています。また長期管理薬として吸入ステロイドを使用する場合は、吸入器具を用いた吸入指導を行ったり、毎日の状態を確認するためにピークフローメーターや喘息日記を用いた指導を行ったりしています。
治療の目標は、発作がない状態を維持すること、スポーツや日常生活が普通にできること、呼吸機能などの検査も正常であることを目指します。
出典:環境再生保全機構 ERCA(エルカ)
「こどものぜん息ハンドブック」から引用
出典:環境再生保全機構 ERCA(エルカ)
「まいにちげんきノート(小児用喘息日記)」から引用
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