夏場の暑い時にはたくさんの汗をかきますが、それ自体は正常な反応です。しかしながら日常生活に支障をきたす程の発汗は多汗症という病気の可能性があります。手のひら、足の裏、腋下などに発汗の多い局所性多汗症はストレス、緊張などのメンタル的な要素があると言われています。ナイーブな思春期の学生さん、ストレスを感じやすい女性などに多いと言われています。今回は腋下の多汗症、原発性腋下多汗症の治療について話します。
当院での治療法は外用薬、内服薬、注射です。
外用薬は塩化アルミニウムやエクロックゲルという薬です。汗腺を変性させる事で効果が出ると言われております。即効性はありませんが根気よく続ける事で効果がでてきます。汗が出ていない乾燥している状態で外用しましょう。ただかぶれる事があるので注意しましょう。
内服薬でよく使われるものはプロバンサインです。副交感神経から出る伝達物質であるアセチルコリンを抑制する作用があります。プロバンサインは基本的には長期に内服する薬ではなく、汗をかきたくない状況のとき(プレゼン、会議など)に使用します。1時間程で効果が出て4,5時間程持続します。プレゼンなどの1時間前に飲むのが良いでしょう。
内服しているうちに使い方のコツがわかってくるはずです。副作用は主に口の渇きです。
ストレスの要素が強い場合には抗不安薬を使ったりもします。
注射薬はボトックスという薬です。ボツリヌス菌がつくる毒素を有効成分としており発汗抑制作用があります。注射をするとだいたい1週間で効果がでます。6から9か月間効果が持続します。そのため、春頃に注射をして厳しい夏場を乗り切るという患者さんが多いです。片方に25か所、両脇で50か所も注射します。できるだけ痛くないように細い針を使います。また御希望によって注射前にアイスパックでワキを冷やして痛みを感じにくくする事も出来ます。難点は高額である事ですが保険適用です。
以上当院での原発性腋下多汗症についてお話しさせて頂きました。
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