1000万人おられるといわれる「2型糖尿病」ってどんな病気なのでしょうか。
ここではポイントを3つに絞って、お伝えします。
①血糖値が上がる仕組み ②糖尿病は血管の病気 ③健診と定期通院が大切 です。
血糖値を下げるのは、すい臓でつくられる「インスリン」というホルモンです。
逆に、血糖値を上げる要素は、たくさんあります。
血糖値は、「上げる力」と「下げる力」のバランスで決まります。
血糖値を上げる力は、体全体の「インスリンの必要量」と言い換えることができます。
血糖値を下げる力は、すい臓の「インスリンの分泌量」です。
図で、積み木を使って説明します。
左の青い積み木は、体全体のインスリンの必要量になります。標準的な必要量を積み木1個分とします。
右の赤い積み木は、インスリンを出す力(分泌量)です。標準的なインスリン分泌量を積み木1個分とします。
この図のように、インスリンの必要量(青い積み木)とインスリンの分泌量(赤い積み木)がつりあっているとき、血糖値は正常で上昇しません。
こうなるとどうでしょうか。
「運動不足」となると、体全体の「インスリンの必要量」が増えてしまいます。青い積み木が2個となりました。
赤い積み木が1個のままでは、必要量が分泌量を上回ると、血糖値が上がってしまいます。
ここで、インスリンの分泌量(赤い積み木)が2個になりました。
インスリンの必要量に分泌量が追い付けば血糖値は上昇しません。
ただ、日本人を含むアジア人では、このインスリンを分泌する力が、欧米人に比べて半分程度しかありません。
そのため、アジア人は少しの生活習慣の変化で血糖値が上がりやすいと言われています。
ここでは「運動不足」を例に挙げましたが、「食べ過ぎ」などもインスリンの必要量を増やしてしまう要素となります。
このようなケースはどうでしょうか。
インスリンの必要量を増やしてしまう「運動不足」や「食べ過ぎ」などの生活習慣の変化がないにも関わらず、インスリンの分泌量が少ないことで、血糖値が上昇してしまいます。
このようなケースは、欧米人に比べてアジア人で非常に多く見られます。
このように血糖値は、「上げる力」と「下げる力」のバランスで決まります。
一人ひとり、このバランスに個人差があり、個々の状況に合わせて治療法を相談します。
血管には、「太い血管」と「細い血管」があります。
糖尿病は両方の血管を傷つけます。
太い血管が傷つくと、脳、心臓、足に障害を生じます。
細い血管が傷つくと、神経、目、腎臓に障害を生じます。
いずれも大きく幸せを奪ってしまうものです。
また、重要なポイントですが、進行するまで自覚症状がありません。
太い血管に障害
細い血管に障害
糖尿病によって血管が傷つき、大きく幸せを奪ってしまいますが、進行するまで自覚症状がありません。「どうもないから大丈夫」ではないのです。
よって、健診と定期通院がとても大切となります。
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