結核とは、「結核菌」という細菌によって肺に炎症が起きる病気です。2020年度は12,739人が発病し1,909人が亡くなりました(結核の統計2021による)。昔の病気と思われがちですが、現代の病気です。熱や倦怠感、咳や痰が2週間以上続く場合は結核の疑いがあります。ただし高齢者ではこういった症状が出ないこともあり注意が必要です。
私たちがふだん会話をしているときも肺の奥から目に見えない「しぶき(飛沫)」が吐き出されており、咳やくしゃみの中には大量の「しぶき」が含まれます。結核患者が咳をすると結核菌を含んだ大量の「しぶき」が放出され、「しぶき」に含まれた結核菌を周りの人が吸い込むことで人から人へと感染します。健康な人では免疫の働きで結核菌を抑え込みますが、病気などで免疫力が落ちると抑え込んでいた結核菌が再び活動を始め発病することがあります。感染しても発病していない人は「潜在性結核感染症」として発病を予防する薬を6か月間服用します。
結核と診断された場合は6から9カ月の間、毎日複数の薬を飲むことで治療できます。途中で服薬を中断したり薬を飲んだり飲まなかったりすると薬が効かない「耐性菌」を作り出してしまう危険性があるため、毎日薬を内服することはとても大切です。確実に内服が行われるように、医療従事者が服薬を見守る仕組みをDOTS(ドッツ。Directly Observed Treatment, Short-course))といいます。日本では医療機関と保健所が協力して行っています。また結核の治療費は公的負担が受けられます。
結核菌による炎症が進むと肺の組織はどろどろに溶け、穴のあいた状態になります。これを空洞といいます(図の〇印)。空洞の中で結核菌がどんどん増殖するため、空洞を持つ結核患者は感染性が高くなります。
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