2019年12月に中国で第一例患者さん(公式発表では)が出て瞬く間に全世界に拡散した新型コロナ感染症(正式の呼び名はCOVID−19)は翌年の1月には近畿地方で日本の第一例が報告され、さらに3月初めには神戸でも最初の患者さんが診断されました。
本院にも受け入れ要請があることは当初より想定され、実際に3月半ばには初めての患者さんが入院されました 以来1年8ヶ月にわたり、この新興感染症と対峙してきました。
2021年10月末に直近の緊急事態宣言が解除されて収束を迎えた第5波までの西市民病院の活動をまとめてみました。
上述のように2020年3月半ばに入院患者さんを初めて収容し、その後第1波(今から思えばさざ波にもならない程度でしたが、緊張感は最も高かったように思います)に対応して院外診察室(10年以上前になりますが、新型インフルエンザに対応し増設されたもので す)を利用して発熱外来を同年4月から始めました。
さらに入院患者さんの増加により入院病棟1棟全部を改造し新型コロナ専用病棟として対 応しましたが、開棟後間も無く第1波は収束し本格的な運用をすることなく閉棟となりました。
専用病棟の本格運用は その年の夏に生じた第2波に再開棟してからで、その後は波が大きくなる毎に2病棟を専用病棟に当てる運用をしつつ、継続的に専用病棟を運用してきました。
外来でのPCR検査施行数のまとめです 新型コロナ感染症を疑う患者さんへのPCR検査は救急外来でも行いますし発熱外来でも結果的に新型コロナ感染症は否定的と思われる症例も診察するので発熱外来の診察総数には一致しませんが大部分は発熱外来でのもので、その運用を反映する数字と言えます。
2020年度(一部2020年3月分を含みます)では1252件のPCR検査を行い284件19.8%が陽性でした 2021年度は10月までの6ヶ月の集計ですが、昨年度を超える1436件施行し452件31.5%が陽性でした 左の図のように神戸市全体の最高陽性率(第1波は検査数が不十分で陽性率は正確ではありません)16.8%に比べると西市民病院でのPCR検査陽性率がいかに高率かがわかります 感染蔓延期には陽性率が8割以上となる時期もあり新型コロナ感染症に罹患したと思われる患者さんが集約して受診していたことがわかります。
入院の患者さんのまとめです 2020年3月から入院があり第1波、第2波と月別入院数が増加し昨年11月からの第3波とそれに続く第4波では切れ目なしに入院があったことがわかります 第3波の後半から4波が終わるまで入院患者さんの年齢中央値が75歳以上(入院した患者さんの年齢が上から数えて半分で75歳以上)となっています 中央値の最高が82歳となった月があり高年齢の人ほど入院が必要であったことがわかります。
2021年10月までに600人以上の方が入院となりました
入院患者さんの重症度についてのグラフです 当初陽性者は原則入院とする感染症法の方針に従い軽症者も入院していました が、感染者数の増加により神戸市は早期に軽症は原則入院をしない方針に転換したことから第3波から中等症の患者さんが大部分を占めるようになり特に第4波では95%以上が酸素を必要とする肺炎合併した中等度Ⅱの患者さんになっていました この時期は上記のように年齢も後期高齢者の患者さんが半数以上を占めたこともあって不幸な転帰となることも多く病院職員は肉体的にも精神的にも辛い状態でした。幸い第5波では関西圏においてはワクチンの効果が実感され重症度が軽減されてホッとしています ただこれは医療がカバー出来る範囲を超えなかったからで感染数が医療資源の限界を超えた関東圏ではワクチン効果があっても医療逼迫の状態になったことは忘れてはいけません。
註 下に重症度のイメージを載せます 医療者が用いる重症度分類は一般の方が感じるそれとは大きく異なります 特に日本の「重症」は海外では「重篤」とされるものです。
安川康介先生のTwitterより引用
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