泌尿器科
スタッフ紹介
スタッフは5名で、うち3名は日本泌尿器科学会認定専門医、指導医、2名は後期研修医(専攻医)です。マンパワー、設備等の状況が許す限りあらゆる泌尿器科疾患に対応いたします。特に専門領域を限定しませんが、どの疾患に対しても全人的治療を心がけています。
氏名 | 役職 | 卒年 | 専門分野 | 認定医・専門医・指導医 |
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中村 一郎 | 院長代行 (地域医療部長兼務) |
S.60 | 泌尿生殖器癌の外科療法 尿路性器腫瘍学 化学療法 緩和医療 |
日本泌尿器科学会専門医・指導医 日本がん治療医認定機構暫定教育医、認定医 神戸大学医学部臨床教授 神戸市看護大学非常勤講師 ロボット支援腹腔鏡手術プロクター(指導医) がん診療に携わる医師のための緩和ケア研修修了 緩和ケアの基本教育のための都道府県指導者研修会修了 |
【コメント】 地域の患者さんの健康、生命を守るために神戸市立医療センターの泌尿器科医として最善の医療が提供できるように全力を尽くします。急速化する高齢社会の中で地域の医療・介護機関と連携を深め、患者さん、ご家族に優しい在宅医療を応援していきます。 |
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八尾 昭久 | 医長 | H.10 | 泌尿器癌 腹腔鏡手術 泌尿器科手術全般 |
日本泌尿器科学会専門医・指導医 泌尿器科腹腔鏡手術認定医 日本内視鏡外科学会技術認定医 ロボット支援腹腔鏡手術プロクター(指導医) 日本がん治療医認定機構暫定教育医、認定医 がん診療に携わる医師のための緩和ケア研修修了 |
小泉 文人 | 医長 | H.13 | 泌尿器癌 腹腔鏡手術 泌尿器科手術全般 |
日本泌尿器科学会 専門医・指導医 泌尿器科腹腔鏡手術認定医 日本内視鏡外科学会技術認定医 日本がん治療医認定機構暫定教育医、認定医 がん診療に携わる医師のための緩和ケア研修修了 |
藤本 卓也 | 専攻医 | H.25 | 泌尿器科全般 | 【コメント】 すべての泌尿器科領域で全力を尽くします。 |
平田 淳一郎 | 専攻医 | H.27 | 泌尿器科全般 | 【コメント】 頑張ります。 どんどん患者さんを紹介して下さい。 |
診療スケジュール
泌尿器科の外来診療は月曜から金曜まで毎日行っています。月、水曜日は午前のみ、火、木、金曜日は午前・午後の診療です。金曜日の午後にはED外来(男性の勃起不全に対応)を行っています。尿路ストーマ、尿路カテーテル、自己導尿等の排泄ケア指導は外来午後枠を中心に泌尿器科看護師やWOC認定看護師とともに随時行っています。
尿路系レントゲン検査(透視処置を含む)、膀胱尿道機能検査の検査日は火、木、金曜日です。手術は月、水、金曜日の週3日終日1-2列で行っています。
病棟総合回診日は水曜日の早朝であり、病棟師長、看護スタッフとともに行っています。カンファレンス、抄読会は毎週月曜日と水曜日の夕方に開催しています。
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診療科の紹介(診療内容)
本院は震災後約5年のブランクを経て平成12年神戸市西部市街地の中核病院として再建され同時に泌尿器科診療が再開されました。17年を経た平成30年5月の時点では外来患者数は通常1日30〜50名(新患5-10名)、入院患者は常時25〜30名です。入院ベッドは基本病棟(8F、10F、11F)にあり、それ以外の入院対応も柔軟に随時可能です。
ここ数年の当院の泌尿器科外来を訪れる患者さんの代表的な疾患は、下部尿路症状(排尿困難、頻尿、尿失禁など)を訴えとして来院される前立腺肥大症、神経因性膀胱などの老年泌尿器科疾患です。そして女性の腹圧性尿失禁に代表される婦人泌尿器科疾患の治療機会も、年々増加しています。一方、尿路性器悪性疾患として前立腺癌が急速に増加しており、さらに当地域では膀胱癌・腎盂尿管癌の症例が非常に多く、腎癌も年々増加しており、入院患者さんの8割以上を悪性腫瘍が占めています。その他に重症尿路感染症の緊急入院患者が多いことも当科の特徴です。
チーム医療を支えとしてがん患者さんに手術、化学療法、緩和医療まで全人的治療を提供する
当科は2015年10月よりダヴィンチSiによるロボット支援腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術を開始し、100名以上の患者さんに行い良好な手術成績が得られています。腹腔鏡手術、腹腔鏡下小切開手術の施設認定を取得し副腎、腎尿管悪性腫瘍に加えて、前立腺全摘、小さな腎がんの部分切除術、後腹膜腫瘍に対しても小さな傷の手術が可能になりました。前立腺がん、膀胱がんの手術療法においては排尿機能、性機能が可及的に温存できるような手術術式を採用し、良好な治療成績が得られています。膀胱全摘術では尿路変向として腸管を利用した代用膀胱を造設する術式(新膀胱)を積極的に行い、自然排尿の再現を目指しています。尿路ストーマを形成した患者さんには看護師チームとともにストーマケアをきめ細かく行っています。化学療法はその侵襲度に合わせて、入院あるいは外来化学療法センターで安全に遂行できるように運用しています。がん治療の当初から再発リスクや予後について十分にインフォードコンセントを重ね、終末期には緩和ケアチームや緩和ケア認定看護師、地域医療の支援のもとで安らかな療養の場を持っていただくように努めています。
安全第一をモットーに患者さんにやさしい医療を提供する
周術期には血栓予防対策、感染予防対策などを十全に行い重篤な合併症を回避するように努めています。
排尿障害に対して集学的な先進治療を行い患者さんのQOL向上に貢献する
前立腺肥大症、過活動膀胱、尿失禁、さらには間質性膀胱炎の患者さんに対して生活指導から理学療法、薬物療法、手術療法まで段階的に治療プランを設定します。前立腺肥大症に対する内視鏡手術(HoLEP:ホルミウムレーザー前立腺切除術)、腹圧性尿失禁に対する根治手術(TVT)、間質性膀胱炎に対する膀胱水圧拡張術(2010年、施設認定取得)で症状が顕著に改善した事例を多数経験しています。
泌尿器科開設以来の診療実績
開設後18年間で手術件数は漸増し平成29年度は661件でした。局所浸潤膀胱癌に対する膀胱全摘術および各種尿路変向術(尿管皮膚瘻や回腸導管以外に腸管利用自然排尿型を積極的に行っています)、表在性膀胱癌に対する経尿道的切除術(NBI、ホルミニウムレーザー併用)、尿路結石に対する内視鏡的破砕術(*ESWL難治例にf-TUL:細径の軟性尿管鏡、ホルミウムレーザー併用手術)、前立腺がんに対するロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術、前立腺肥大症に対する経尿道的切除術(HoLEP、TUR-P)、睾丸腫瘍、陰茎癌に対する全摘除術、腹圧性尿失禁に対する尿道吊り上げ術(TVT手術)、コラーゲン注入術、緊急手術として外傷性膀胱破裂、精巣破裂、精索捻転に対する修復術など多岐にわたっています。前立腺癌確定診断のための前立腺針生検により、根治可能な早期前立腺癌を多数検出していますので、PSA高値の患者さんのご紹介をよろしくお願いいたします。
- 2000年~2005年泌尿器科外来・入院・手術統計(PDF:144KB)
- 2007年の手術統計(PDF:259KB)
- 2008年(1~12月)診療実績(PDF:81KB)
- 2009年(1~12月)診療実績(PDF:145KB)
- 2010年(1~12月)診療実績(PDF:186KB)
- 2008~2010年の臨床成績(PDF:522KB)
- 2010~2012年の臨床成績(PDF:155KB)
- 2013~2015年の臨床成績(PDF:341KB)
- 2015~2017年の臨床成績(PDF:1MB)
手術に関する施設認定:近畿厚生局届出分
(間質性膀胱炎) 膀胱水圧拡張術
(尿失禁) 人工尿道括約筋植込・置換術
(前立腺癌) 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術、腹腔鏡下小切開前立腺悪性腫瘍手術(膀胱癌) 腹腔鏡下膀胱悪性腫瘍手術、腹腔鏡下小切開膀胱悪性腫瘍手術
(その他) 腹腔鏡下小切開副腎部分切除術、腹腔鏡下小切開腎摘出術、腹腔鏡下小切開腎(尿管)悪性腫瘍手術、腹腔鏡下小切開膀胱腫瘍手術、腹腔鏡下小切開後腹膜リンパ節群郭清術、腹腔鏡下小切開尿管腫瘍摘出術、腹腔鏡下小切開後腹膜腫瘍摘出術、腹腔鏡下小切開後腹膜悪性腫瘍手術など
*がん治療連携計画策定料
地域医療機関の先生方へ
患者さんに優しい医療を目指して常に最新最良の診療情報を患者さんに提供し、近隣の医療機関の皆様と連携をとりながら、地域から信頼される泌尿器科として市民の健康に貢献したいと願っています。そして急速化する高齢社会の中で地域の医療・介護機関と連携を深め、患者さん、ご家族に優しい在宅医療を応援していきたいと思っています。今後さらにQOLを重視した治療(機能温存手術、鏡視下手術など)を積極的に導入し、治療前後、周術期のケアをメディカルスタッフとともに充実させ、患者さんのQOL向上を目指し最善の医療が提供できるように全力を尽くしますので、今後ともご指導ご鞭撻よろしくお願い申し上げます。